現在位置: トップ > アマチュア無線 > 2006年5月

2006年5月

改訂:2006/07/07

2006/05 フットスイッチをPTTに利用

 QSOの時にはPTT用手元スイッチを使用していましたが、パソコンを使ってログをとったり、画像通信の画像の貼り付けなどをやっていますと両手がふさがってしまいます。ヤフオクでテープレコーダ用のフットスイッチを入手しましたので、これを活用してPTTに使うことにしました。
 入手したのはSONY製のFS-10Aというもので、もともとはテープレコーダの編集用のオプションの様です。一旦、踏み込むとロックして保持します。もう一度踏み込むとロックが解除されます。但し、スイッチ出力が踏み込まない状態でオンで(おそらくこれでテープが回っている状態)、踏み込むとオフになる(これでテープ回転を止める?)仕組みです。これでは都合が悪いので、中をばらして、スイッチの接続を、踏み込むとオンになるように変更します。右の写真は、接続変更を行った後の状態です。接続変更は簡単にできます。中には重石代わりの鉄の棒が2つ入っていました。スイッチも含めて中に使っている部品はいずれも固定されていないので、ずれたり落ちたりしないように、上から蓋をかぶせてねじ止めをします。
 接続コネクタは2.5mmφのミニプラグが付いていましたので、今まで使っていたPTTスイッチのうちプッシュ型のほうを外し接続コネクタをつけます。スライドスイッチ型の方は残して並列につないでおきます。
 以上で完了、早速使ってみます。チャッタリングもなくスムーズに切替できます。 最初は足で操作するのに若干違和感がありますが、すぐに慣れます。それよりも両手が完全に空いて快適です。

2006/05 SG-Adapter の製作

 ちょっと間が空きましたが、次の製作結果(SG-Adapter)がうまくいかず、何度も作り直して悩んでいました。失敗の状況はあとで述べるとして、まだ、不満が残っていますが、とりあえず、何とか使えそうなものが出来たので、やっとアップする気分になりました。
 我がシャックには1MHzまでの低周波発振器はありますが高周波用のいわゆるSGと言うものがありません。 今まで色々実験していて、IC-756PROが精度・安定度・確度、また、つくりのしっかり加減がすばらしいもので、トランシーバとしての用途以外に測定器としてずいぶん利用してきました。ただ、利用の仕方がダミーロードからの漏洩信号を利用したり、アンテナにリード線をつけて信号を受信してみたりと、およそ「定量的測定」とはかけ離れたものでした。今回、ヤフオクで高周波減衰器を入手したのでこれを使って定量的測定が出来るようにSG-Adapterを作ってみました。以下は、現状の最終回路図です、まだ、不満はありますが、何とか使えそうなところまできました。

SG-Adapterの回路図(png、拡大して見てください。戻りはブラウザの「戻り」で)

 ケースはちょっと小さめですが、以前にデジットで安売りしていた(いつものパターン??)ケースに何とか入りそうです。加賀金属(富士シャーシ?)のFC-15B(200Wx70Hx140D)というものです。後から考えると、SG-Adapterとしてはもっとしっかりしたものが良かったようです。

SG-Adapter基板配置・ケース加工図(LZH圧縮) ケース加工図はCanon-iP4100で原寸に印刷されます

 回路の構成はトランシーバの出力(一番絞って2W)をコネクタの所で一旦、-20dBの減衰器を入れて20mWにします。 SGの世界ではdBuが使われている様で、120dBu=13.01dBm(50Ω)=20mW(50Ω)=1000mVrms(50Ω) と言う関係の様です。 この出力をSG-Adapterに取り込み、一旦コネクタを介して120dBアッテネータ(10dBステップ)+10dBアッテネータ(1dBステップ)を通してコネクタに導いています。なお、入力信号はレベルメータでモニタできるようにしてみました。
 これは、ステップアッテネータの特性をFRMS(0-20MHz)で測定したものです。左は10dBアッテネータ(1dBステップ)を10dBにセットした時、右は120dBアッテネータ(10dBステップ)を30dBにセットした時の特性です。もともとSGに使われていたアッテネータのようで、デジタルパワーメータに接続して、ステップを切り替えると非常に正確な特性を示します。したがって、この測定データを見てどちらが正確かといえば、FRMSよりもアッテネータのほうをとります。アッテネータを使ってFRMSのレベル特性を測定しているようなものかと思います。60〜70dBぐらいになるとFRMSの表示はあやふやになってきます。

 これは同じアッテネータをFRMS+FREX(0-150MHz)で測定したものです。周波数特性は問題ないようですが、こちらも40〜50dBぐらいになるとFRMS+FREXの表示はあやふやになってきます。

 これは、IC-756PROのミニマム出力2Wを20mWに落とす20dBの減衰器です。ケースはリターンロスブリッジなどでも使って、いくつか仕入れてきていたテイシンのTD-350A(35x60x45)という小さなケースです。中にプリント基板の生基板を入れ、グランドパターンとしています。アッテネータは抵抗の手持ちの関係で10dBの2段構成にしました。 ANTコネクタに直接取り付けて信号の漏洩を最小限に抑えます。 電力のほうは、設計では3.5W入力まで耐えるはずですが、2Wを加えると結構熱くなります。手で触った感じでは50℃ぐらいかと思います。焦げる匂いはしませんので大丈夫と思いますが。

 左はSG-Adapterの上面から見たもの、左上が入力で左下の蛇の目基板がレベルモニタ回路です。上の旧目黒電波測器のマークが付いている四角い箱が120dBアッテネータ(10dBステップ)で手前真ん中のロータリスイッチで切り替えます。これは、10dB、20dB、30dB、60dBを直列につないで、電磁スイッチで切り替えて、組み合わせで10dBステップで120dBまで切り替えているようで、全てのスイッチが入ると、24V-300mAほど流れます。右の丸いものは10dBアッテネータ(1dBステップ)で中の構造はわかりませんが1dBステップで10dBまで切り替わります。
 右はカバーをした全体の様子で、減衰器のつまみは、元のつまみをそのまま使っています。左と右をあわせて表示するようになっていて、表示をそのまま読めばdBuに読めるようになっています。入力に120dBu=13.01dBm(50Ω)=20mW(50Ω)=1000mVrms(50Ω) を入れて、減衰量を0dB+0dBにすれば110+10=120dBu表示となります、減衰量を120dB+10dBにすれば-10+0=-10dBu表示となります。最大と最小の時の表示がいまいちですが、途中のポジションでは表示の数字をそのまま読み取れば良くなっています。この写真の状態で55dBuです。デジタル表示の元祖でしょうか?良く考えてあります。

 これは正面からの写真、ケーブルの接続状態など、メータ横のボリウムは結局、現在は使ってはいません。右の青線は同じ入力レベル(と思われる)時の各周波数のメータ表示特性、もう少しフラットにしたいところです。一方、赤線は漏洩信号のレベル。これは減衰器の出力を受信機につなぎ、減衰器を絞っていきレベルが変動しなくなるレベルを漏洩信号のレベルとしました。高い周波数になるとコネクタなどを触るとレベルが変動するので、コモンモード信号の防止対策を行えばもう少しレベルが下がるのではと思っています。低い周波数では、ラフに作った割にはそこそこの漏洩信号レベルまで絞れたのかと思っています。

【製作過程での失敗の経過】

 さて、失敗談ですが、以下の通り、このSG-Adapterを設計製作する段階でいくつか失敗しました。
(1) もともとの発想は、IC-756PROにトランスバータ出力があり、ここには-20dBmの出力が出ており、手ごろな出力なので、これを使ってSGにすれば、漏洩信号も少ないのではと思ったわけですが、試してみたら、28MHzの時だけしか出力が出てこないと言うことで、確認段階で没に。
(2) しからば、と言うことで、通常の出力を一番絞って使うことに、SG-Adapter側で出力の調整をしたかったので、17dBのアッテネータを入れて、ボリウムに加えレベル調整をしてFETバッファアンプを駆動すると言う構成にしたのですが、FETバッファアンプでは50オームに1Vrmsの出力をドライブできるだけの力がなく、これも没に。
(3) バッファアンプをトランジスタ式の物に変え、出力をトロイダルコアにしましたが、周波数特性がうまく取れない上に、約2Wの信号を引き回したのでは漏洩信号が大きすぎてこれも没に。更に、モニタレベルメーターが十分に振れず、モニタ用にアンプが必要の模様。下の写真は信号入力部に直付けの力作(?)17dBアッテネータの様子ですが、結局、蓋をかぶせることもなく、日の目を見ることもなく没に。
(4) 結局、途中に簡単なアンプを入れたのでは平坦な周波数特性を出すのは難しいと判断、-20dBのアッテネータをIC-756PROのなるべく近くに設け、レベル調整は本体の出力調整で行うことに。余ったアンプはレベルメータ用のアンプに変更。

【追加(2006.07.07)】

 Keyが常にオンになりっぱなしでは都合が悪いので、メーター横のボリウムを取り外し、トグルスイッチを取り付けて、このスイッチで、SEND信号とKEY信号をオン-オフするように変更しました。元から付いているパワースイッチはアッテネータのリレー用の電源だけをオン-オフするようにしました。トランシーバを通常の運用に使うときは、SEND信号とKEY信号をオフにしておきます。また、アッテネータだけを使いたいときは、トランシーバとは無関係にリレー電源をオンにする事が出来ます。上の回路図は修正した物に差し替えています。

2006/05 シャックの温度−初夏

 春といってももう5月の中旬、そろそろ初夏と言う時期ですが、3月にシャックの温度を測定した時は、まだ、ストーブをつけていましたが、もう、さすがにストーブをつける日はありません。この時期のシャックの一日の温度・湿度を測定してみました。測定には、もちろん温度・湿度データロガーを使います。
 朝、雨戸を開けると日差しが入ってきて温度が上昇し始めますが、たいした上昇ではありません。外気温との差も少なく、一日を通して、気温の変化はわずかです。湿度のほうは部屋の中が結構高くなっているみたいで、窓を開けて、外気を取り入れると、気温は変わらないのに湿度は急激に下がります。夜になって、窓を閉めると、また湿度が上昇します。まあ、上昇すると言っても50%前後ですからたいした湿度ではありませんが。
 この時期、如何に過ごし易い気候かと言うのが、この気温と湿度の変化を見ても解ります。不快指数も70前後で快適な気候です。

2006/05 カレント・トランスの製作

 GWの連休直前に風邪をひいたみたいで、連休中も気分が悪く、ものづくりをする元気がありませんでした。 連休も明けて、気分もやっと落ち着いてきて、ちょっとものづくりをしてみようかと言う気にやっとなってきました。
 PO-10、QRP-Digital-Power-Meterは表示がオートレンジであり、意外に便利なので、もっと大きなパワーも測定できる様にカレントトランス型の減衰器を作ってみました。 負荷は100Wダミーロードを使い、そこに加わる高周波電流をピックアップして、PO-10、QRP-Digital-Power-Meterの入力に合うレベルまで減衰させることにします。
 ネットで探すと20dB減衰型のカレント・トランスが見つかりました、これを採用し出力側に10dBのATTを入れて30dBの減衰にしてみました。これですとmW表示がちょうどWに読み換えできます。資料では3D2Vを使うように書いてありましたが、手持ちが無かったのでRG/58AUの切れ端を使いました。そのほかの部品も手持ちのものにしています。10dBのATTは1/4Wの抵抗を組み合わせて作りました。150Ωパラが一番発熱しそうです。ここがネックになりますが合成抵抗の規格電力は約1.56W、カレント・トランスに100Wを加えた時にATTには1Wが加わりますので、合成の規格電力の64%で動作します。抵抗をくっつけて線をねじって半田付けしてますが、これだけの余裕があれば、100Wまでは何とか大丈夫そうです。まあ、我が家の最大電力は50Wですので、実働上は全然問題ありません。

カレント・トランスの回路図(png、拡大して見てください。戻りはブラウザの「戻り」で)

 ケース加工図は特に作成せず、直接、ケース各面の中心に空けました。

 カレントトランスの中の様子です。右は角度を変えて撮ってみました。ケースはリターンロスブリッジなどでも使ったテイシンのTD-350A(35x60x45)というケースです。表面がアルマイト処理をしているようなので、念のため編組線でグランドを接続しています。

 もう一つ角度を変えて撮ってみました。10dB-ATTの様子もわかると思います。右はカバーをしたところです。

 左はカレント・トランス部分だけの特性をFRMS+FREXで測定しました。結構良い特性をしています。右は10dB-ATTも含んだ総合の特性です。

 念のため正確(と思われる)減衰器(左20dB、右30dB)を使った時のFRMS+FREXの特性は以下の通りです。この特性を参照すると、上のカレント・トランスの減衰はかなり良い特性です。

 トロイダルコアに1ターンと10ターンでなぜこのように正確に20dBの減衰が得られるのかは良く解りませんが、とにかく結構精度の良い検出器が出来ました。パワーメーター用の検出器として作りましたが、スペアナの入力に使って送信電波など高レベル信号の監視などにも使えそうです。

【追加(2006.05.12)】

 早速、トランシーバの出力を見てみました。
 トランシーバの出力をカレント・トランスに加え、更にその出力をダミーロードに加えておきます。カレント・トランスの検出出力(-30dB)はスペアナ・アダプタに加えておきます。トランシーバの出力を1W近辺に設定しますと、検出出力(-30dB)に1mWが出てくる(はずです)ので、スペアナ・アダプタを見ながら、0dBmになるようにあわせておきます。
 左は、7MHzの時の結果、右は50MHzの時の結果です。青い線はスペアナ・アダプタの自己スプリアスです。赤い線がトランシーバの基本波および高調波です。いずれも第2高調波は-30dB強の減衰があります。第3高調波以上は-40dB以上の減衰が得られています。 IC-756PROの仕様ではHF帯で-50dB以下、50MHz帯で-60dB以下となっていますので、20〜30dB大きめに出ています。なぜでしょうか??トランシーバの出力を1Wに絞っているからでしょうか? もともとの定格の100Wからすれば基本波は20dBの差があります。 カレント・トランスは50Wフルパワーでも大丈夫ですので、検出出力(-30dB)とスペアナ・アダプタの間に20〜30dBの減衰器を入れれば、フルパワーで測定できそうです。それは、またの機会にやってみましょう。

 こちらは、検出出力(-30dB)をPO-10、QRP-Digital-Power-Meterに接続した時の周波数特性です。左は10Wと50Wを加えてdBm表示にした時です。検出出力(-30dB)からのケーブルを15cmの時と2mの時で測定しています。右は50Wを加えてmW表示にした時の特性です。いずれも7MHzを基準とした時の偏差を表しています。出力の確認はオシロを使って波形のp-p値を測定してWに換算しています。21MHz、50MHzではオシロのプローブをつけると結構影響があるようで、測定値にかなりの誤差を含んでいるものと思います。また、周波数が高くなると検出用のケーブル長も影響が大きくなります。 0.2dBの誤差で電力にして約5%、0.4dBの誤差で電力にして約10%のですので、mW表示のほうが若干誤差が大きめでしょうか? 周波数による誤差も結構ありますが、このあたりは測定系の誤差がかなり入っているものと思います。全部50Ω系の同軸でプローブの影響を排除して、きっちりと測定する必要があるようです。いずれにしても基準になるものがオシロの波形測定であやふやですのでこんなものでしょうか?

【追加(2006.05.15)】

 トランシーバの出力を50Wフルパワーにして、検出出力(-30dB)とスペアナ・アダプタの間に20〜30dBの減衰器を入れて測定してみました。結果は1Wの時とあまり変わりません。アンプの動作点がおかしいのでしょうか? あるいは出力回路にどこか非直線部分があるのでしょうか? 結構、ケーブルが長く、間に切替スイッチやM型コネクタなどが何段か入っていますので、どうでしょうか? もっと短いケーブルで測定すべきでしょうか?。購入時についていたチェックシートによれば第2、第3高調波ともに-64〜-69dBとなっているので、やはり、我が家の測定系に問題があるのでしょう。しばらく精査する必要がありそうです。

2006/05 PC-TRX-IFをCompAmpに変更

 PC-TRX-IFの製作のところで、IC-706MKIIGはアクセサリ端子からの入力にはスピーチコンプレッサが掛からないことがわかったので、レベル調整のIで考えていた、コンプレッションアンプを組み込んで見ました。
 コンプレッションアンプ用のデバイスとしてTA2011Sをサトー電気で入手できましたので、バラックで組んで予備実験で大体の特性を測定してみました。電源電圧5V以上で規格通り45dB強のゲインがあり、出力が1.7Vp-pあたりでコンプレッションが掛かり、後は入力をいくら大きくしても出力はびくとも動きません。入出力特性から見ると、出力が飽和して歪んでいるのかと思いましたがそうではありません、ゲインが下がって、出力電圧が一定になっているのです。出力波形は非常にきれいです。普通のアンプから見ると、ちょっと不思議な感じがしますが、ALCアンプからすれば至極当然のことですね。もう少し出力電圧が「だらだら」と飽和するのかと思っていましたが、完全にフラットに飽和します。こんなにきれいな動作をすると、なぜかスカッとしますね。 もともと、カセットレコーダーのマイクアンプ用なので、マイクを直接つなげそうです。周波数特性も規格で見る限り問題なさそうです。追加回路もほとんどありませんので周波数特性の測定はしていません。
 最初は、別基板に組んでPC-TRX-IFに追加しようと思っていましたが、意外に部品数が少なく出来たので、PC-TRX-IFのマイクアンプの2SC1815の1段分を置きかえれそうです。

PC-TRX-IF-CompAmpの回路図(png、拡大して見てください。戻りはブラウザの「戻り」で)

 また、前回、不用になった、-20dBスイッチを取り外し、代わりに、コンプレッションレベル調整用のボリウムをつけます。SSTV-IFの時からのケースなので、配置がいまいちですが、良しとします。
 基板のほうは、マイクアンプの2SC1815の段の周辺を取り除き、「空き地」にコンプレッションアンプを無理やり詰め込みました。(MountDiagramを参照) PC-TRX-IFの製作以来の最初の「開腹」作業です。せっかく整理してきれいに作った基板ですので、予め改造の予定配置図を作成して慎重に進めました。

PC-TRX-IF-CompAmp基板配置・ケース加工図(LZH圧縮) ケース加工図はCanon-iP4100で原寸に印刷されます

 左はマイクアンプ基板のTA2011S周辺です、あとからの追加ですので、スペースがぎちぎちです。前の回路から流用する部品なども、多少、位置をずらしてスペースを確保しました。 結果、改造した割には意外ときれいに出来上がりました。(自己満足!) 横に黒く長い部品がTA2011Sです。右はコンプレッションアンプの入出力特性です。

調整は、以下の通りにします。
@VR4、TVR4を真ん中あたりにセットします。
APC側よりMMSSTVの1750Hzトーンを加え、VR1の両端電圧をオシロで測定しておきます。
Bコンプレッションが掛かるレベルの信号をマイク入力に加えます。
CPTTをONにしてAと同じ電圧がVR1に出るように、TVR4を調整します。
Dマイクをつなぎ通常の交信のレベルでしゃべって若干コンプレッションが掛かる程度にVR4を調整します。VR4は前面に出ているので、蓋をした後でも、好みのレベルに調整できます。

 以上の設定で、いくら大きな声でしゃべっても、設定以上の音声入力はMOD端子に加わらないようになり、快適です。
 なお、VR4をあまり大きくしすぎると音声のアタック時に一瞬音が出なくなってしまいます。ALCの立ち上がりにオーバーハングがあるようです。すぐに復帰しますが、適度なコンプレッションレベルにしておいたほうが良い様です。TA2011Sのデータシートに載っている等価回路によれば、この時定数はR33とC22で調整できるようですが、試してみていません。

2006/05 ダミーロードのSWR再測定

 リターンロスブリッジを使ったダミーロードのSWR測定に何か腑に落ちないものを感じていました、気になるので再測定してみました。
 前回は、リターンロスブリッジが出来て、浮き浮きして、あまり考えずに手当たり次第に測定していましたが、今回はちょっと落ち着いて測定してみました。
 最初は200mW終端電力計のSWR特性です。左は今回の測定、右は前回の測定です。

 次は20WのダミーロードのSWR特性です。左は今回の測定、右は前回の測定です。

 最後は100WダミーロードのSWR特性です。左は今回の測定、右は前回の測定です。

 左の測定はリターンロスブリッジのANTコネクタからの接続ケーブルを15cm弱の短いケーブルにしています。右の前回の測定は接続ケーブルが2mのものでした。
 結果は一目瞭然です。リターンロスブリッジのANTコネクタからの接続ケーブルは短くしなければ測定誤差が大きいと言うのを改めて実感しました。 考えてみれば、当然で、全てがマッチングしておれば測定ケーブルが多少長くても、それほど影響が無いかもしれませんが、計るほうも、計られるほうも自作のもので完全にはマッチングしていない訳ですから、150MHzまでの測定では2mの測定ケーブルも無視は出来ないと言うのはごく自然なことです。
で、結果、
200mW終端電力計は、50MHzでSWR=1.070、144MHzでSWR=1.151
20Wのダミーロードは、50MHzでSWR=1.086、144MHzでSWR=1.138
100Wダミーロードは、50MHzでSWR=1.048、144MHzでSWR=1.096
となり、精度が小数以下1桁と見ても、いずれも144MHzでも何とか使えそうです。

 まだ、SWR値が完全に1.0になっていないのは、以下のような要素があるのかもしれません。
 ・ダミーロード自体の構造、抵抗素子などの影響
 ・15cmの測定ケーブルの影響
 ・測定の校正の仕方の問題
 ・リターンロスブリッジの構造、ブリッジ抵抗が51Ωなどの問題
 ・FRMS+FREX自体の精度の問題
 ・接続用の変換アダプタのうち、M接栓関係は非整合である事の影響

と、まあ、こんなものですが、精度でお金をもらう「プロ」ではありませんので、「アマチュア」的にはこれらの問題があることを頭に入れて使っていけば良いのではと思っています。

【追加(2006.05.06)】

 前回は測定しませんでしたが、KURANISHI BR-200に付属している標準抵抗(50Ω±1%と表示がある)とPO-10、QRP-Digital-Power-MeterのSWRも測定してみました。

 KURANISHI BR-200は、50MHzでSWR=1.034、144MHzでSWR=1.138
 PO-10、QRP-Digital-Power-Meterは、50MHzでSWR=1.062、144MHzでSWR=1.138

でした。PO-10、QRP-Digital-Power-Meterが意外に健闘しています。

現在位置: トップ > アマチュア無線 > 2006年5月