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2006年4月

改訂:2006/04/25

2006/04 50MHz SSB/CW QRPトランシーバの製作

 CQ Ham radio 2005年9月号の今井OMの製作記事を参考にさせていただいて、50MHz SSB/CW QRPトランシーバを製作してみました。 TA7358Pを多用して簡単な構成で出来そうです。 部品は全てサトー電気でそろいました。なお、バラモジ・AFアンプ部は永井OMの実験を参考にさせていただいて、変更を加えています。

50MHz SSB/CW QRPトランシーバ回路図(png、拡大して見てください。戻りはブラウザの「戻り」で)

 基板の実装方法が独特で、新たにパターンを起こすことなく、蛇の目基板のように裏側の配線も無く、しかもベタパターンにグランドを落とせるので特性も良さそうです、しかも、そこそこコンパクトに組めそうです。 高さ方向は若干余裕が必要のようですが、組み替え・改造もしやすそうですし、私に向いていそうな組み立て方のようです。
 まずはベタパターンの上に作るランド用の基板チップを作ります。 カットは、前にアクリル板カット用に買ったカッター(OLFA P-CUTTER 450)を使います。 このカッターは「すぐれもの」で以前は鉄鋸を折ったものでケガいていたのですが、切れ味が悪く、アクリル板やベーク基板をカットするのに苦労していましたが、このカッターは全然違います。 幅広の板でも簡単にカットできます。 この基板チップも定規を当てて、3〜5回ケガけば簡単に「ポキッ」と折れます。 チップが小さいので、予め縦横にケガキを入れていたほうが楽のようです。 それでも数が多いので、そのうち抑えている手が痛くなります。 右のように木ねじで基板ストッパーを作ればず〜っと楽になります。 基板チップは5mm角で作りましたが、配線にはもう少し小さくても良いようです。但し小さくすると、カットする時大変そうです。

 左は、ベース基板とカットし終えたランド用の基板チップです。このチップをベース基板の要所に瞬間接着剤で貼り付けます。 ベース基板はブロックごとに分けず1枚基板にしました。その代わり組立てと調整をブロックごとに行う事にします。ブロックわけをマジックインキで書いてあるのはお愛嬌です。
 右は穴あけを終わったケースです。 ケースはタカチのYM-150(150x40x100)を使っています

50MHz-TRXケース加工図(LZH圧縮) ケース加工図はCanon-iP4100で原寸に印刷されます

 14.318MHz表示の水晶を6個購入しましたので組み立てる前に水晶の組み合わせと特性を測定しておきます。 FRMSで共振周波数を測定しますと、2個、2個が別々ですが、ほぼ同じ周波数のペアとなり、他の2個は組み合わせになりそうにない離れた周波数でした。 そこで、周波数の合っている2組のペアを送信用・受信用の構成で特性を取ってみました。その結果、受信用にはどちらかと言うと帯域内が素直なペアを(左の写真、6dB帯域幅5.8kHz)、送信用には傾斜部の特性が素直なペアを(右の写真、6dBダウンで14,313.158kHz、このあたりがキャリア設定周波数でしょうか)採用しました。水晶2個のフィルタですから、帯域やスロープはまあそれなりの特性でしょうか。 残りの2個はそれぞれローカル発振用に使いました。

 左は送信出力用のLPFの特性です50MHzよりの6dBダウンで63MHzでまあまあでしょうか。 右はVXO部を組み終えて特性を測定しているところです。コアを調整すると結構大きな出力を得ることが出来ます。周波数変化幅はVXOコイルのコアとバリコンのトリマを調整して35.84〜35.94MHzの100kHz幅になるように調整しておきます。ちょうど昔の5級スーパーのトラッキング調整をした要領です。低いほうをコアで、高いほうをトリマコンデンサで調整して変化幅を調整します。 測定にはオシロとIC-756PROを使用しています。

 左はVXO部に加えてSSBジェネレータ・混合部・AFアンプ部を組み立て終わったところです。 右は更に受信部・ファイナル・LPF部を組み終わってケースに入れたところです。ベース基板は5mmのスペーサで浮かせてあります。 真上から見るとVXO部とLPF部が他の部分に比べるとガラガラです。 仮配線だったケーブル類も短めに切って体裁よくしています。

 左は前方上部から見たところ、後ろのパネルの配線状態がわかります。 右は後方上部から見たところ、前面パネルの配線状態がわかります。

 左はカバーをして前面パネルを見たところです。パネルは例によって印画紙に印刷したものを両面テープで貼り付けてあります。 右は、VXO部の電源ON後のドリフトの状況です。 EasyFC が基本波を拾っているようですが、送受信周波数はこの2倍のドリフトがあることになります。(以下の測定も同じ) バリコンがちょうど真ん中あたりの特性です。 電源ON後20分で100Hzほど上にずれてほぼ安定しているように見えます。もう少し長く測定したらよかったかなとも思っています。

 左はバリコンが最大(=一番低い周波数)でのVXO部の電源ON後のドリフトの状況です。電源ON後5分まで一旦低いほうに100Hzほどずれてから、今度は一本調子で上の方にずれていきます。30分経って、上に200Hzずれてもまだ安定している様には見えません。
 右はバリコンが最小(=一番高い周波数)でのVXO部の電源ON後のドリフトの状況です。こちらは電源ON後30分経っても上に50Hzほどしかずれていません。他の周波数に比べると大変良い特性です。
 低い周波数でドリフトが大きいのはバリコンの容量が大きなところではバリコンの温度特性がもろに出ているからでしょうか。

 電源が12Vで送信出力が最大105mW出ています。 変更申請が通っていないので、まだ受信のみで、運用は出来ていません。この時期、あまり出ている局は無いのですが、IC-756PROで聞こえる局は聞こえているようです。電池ボックスなど、あと少し工夫が必要です。

2006/04 リターンロスブリッジ

 前からつくろうとは思っていたのですが、ちょうど良いケースが手に入ったので、作ってみました。予想以上に色々使えそうです。 ケースはテイシンのTD-350Aというケースで、35x60x45で、小物を入れるのにはちょうど良い大きさです。 日本橋のデジットで投売りをしていたので買ってきたのですが、今から思えばもう少したくさん買いだめしておけばよかったと思っています。
 回路は、色々な記事に出ていますが、それをそのまま使わせていただきました。

リターンロスブリッジ 回路図(png、戻りはブラウザの「戻り」で)

 ケース加工図は特に作成せず、直接、ケース各面の中心に空けました。

 左はケース内の様子です、なるべく対称に配線すると良いと書いてあったので、そのようにしています。ケースの表面がアルマイト処理されているように見えたので、各コネクタのグランドを編組線で接続しています。 右はカバーをした状態です。左のBNC-JがRF-INでTG出力に接続、右のBNC-PがRF-OUTでSP入力に直接接続します。真ん中のBNC-JがANTで被測定物へ接続します

 測定中の様子です。 右はリターンロスブリッジ部のクローズアップです。

 FRMS+FREXでANTをオープン状態でのスルー特性です。150MHzまでは大きな乱れも無くほぼフラットの様です。
 右は200mW終端電力計のSWR特性です。前回の測定どおり誤差を許しても50MHzまでが良いところです。

 左は20WのダミーロードのSWR特性です。上と同じく誤差を許しても50MHzまでが良いところです。
 右は100WダミーロードのSWR特性です。さすがに立派な特性です144MHzでも大丈夫の様です。

 左は7-14-21MHz-MultiWire-DPのSWR特性です。7MHz、14MHz、21MHzにそれぞれきれいにSWRのディップがあります。
 右は50MHz-5ELのSWR特性です。50MHzでSWRが落ちていますが、高域の落ち込みや周期的な波うちは何でしょうか? 引き込みに長いケーブルを使っているのでその影響でしょうか?

 左はFRMS単体でANTをオープン状態にした時のスルー特性です。20MHzまでは問題なくフラットの様です。
 右はGiga SiteでANTをオープン状態にした時のスルー特性です。300MHzぐらいまでは使えそうです。

 Giga Siteでの7-14-21MHz-MultiWire-DP50MHz-5ELのリターンロス特性です。

2006/04 100Wダミーロード

 20Wのダミーロードでは長時間落ち着いて測定できないこともあり、ヤフオクで100Wのダミーロードを入手しました。 プロ用との触れ込みに違わずがっしりした作りです。 銘盤を見ますと日本高周波(株)で昭和46年3月に作られたもので35年ほど経過しています。 型式:DL-SJ-111A、周波数:560-566MHz、50Ω、100Wと記されています。ためしにIC-756PROで50WのCWを10分加えてみましたが、わずかに暖かくなったかなぁ?と言った程度でした。 このクラスの市販品は500Wと銘打っていても実はピークパワーのスペックで、連続では1/10以下の耐電力のものが多いのですが、これは正真正銘100W連続で加えても大丈夫のようです。 と言うことは短時間なら1kWでも大丈夫かも?(そんな送信機は無いけれど)
 右はKURANISHI BR-200で測定したSWR(青色)とインピーダンス(緑色)で144MHzまでなら全然問題なく使えそうです。 仕様が500MHz台なので430MHzでも大丈夫のようですが、測定器が無いので確かめ様がありません。

2006/04 Giga Site スペアナアダプタ

 予約再開に気づくのが遅れて、申し込みが遅れてしまったのですが、昨年末に予約申し込んで、待ち焦がれていました Giga Site のスペアナ・アダプタ・キットがようやく届きました。 しかし、あいにく、アメリカ西海岸への旅行と重なってしまい、組み立てに取り掛かれませんでした。
 旅行から帰ってきて、早速組み立てに取り掛かります。 部品がきれいに整理されていて紙に貼り付けてあるので、組み立ても楽です。 一番数の多いチップ部品から順番に取り付けていって、約4時間ほどで、組み立てが完了しました。 後から確認するのは大変なので、チップ部品一つ付けるごとに、明かりに照らして、半田付け状態を確認しながら進めました。 チップ部品等は15Wの半田ごてでOKですが、SG、TGユニットの基板への固定には60W級の半田ごてが必要でした。 
 SMAコネクタとケーブルの製作にも初めて挑戦しましたが、結構、細かくて神経のいる作業でしたが、何とかSMA-P対向のケーブルを2本完成させました。 最後に、もう一度、半田付けを確認して、電源スイッチを取り付け、バラックの状態でテストします。
 SGを持っていないのでレベルの調整は出来ません、GigaSiteから提供のあった補正データを利用して起動すると、ほぼ、レベルが合っているようです。 注文しているケースがまだ届いていないので、箱入れはもう少し掛かります。 また、ノイズSGも組み立てたので動作を確認する必要があります。 まだ、まだ、使い方が解らないところがありますが、しばらくは遊べそうです。

 チップ部品他の部品を取り付けて完成させたところ、意外と小さな基板です。左は表、右は裏。

 付属で付いて来たデータと比較するための0Hz付近のデータと、バンド1のTGデータです。但し、提供された補正データで起動時に補正しています。 

 左はバンド1、0-1000MHzの無接続状態のデータです、スプリアスなのかいくつか強いピークがあります。(後で青山さんに確認しましたところ、想定内のスプリアスだということで安心しました。測定時には良く把握した上で使う必要があります。) 右は、20cmぐらいのケーブルをつなぎ、50MHzの自局送信電波を見たものです。 48MHz付近の信号はスプリアスだと思います。

 50MHzのアンテナをつないで、100MHz、200MHz付近を見たところ、FM、Low-VHF-TV、High-VHF-TVなどが見えます。

【追加(206.04.15)、GigaSiteの箱入れ】

 注文していたケースが届いたので、早速、箱入れをしました。ケースはGigaSite推奨のテイシンTC-113です。 左は穴あけが終わったところ。右は箱入れしたところです。ケースと基板はぴったりのサイズで、ほとんど隙間がありません。 パネル面は例によって印画紙に印刷したパネルを貼り付けます。

GigaStケース加工図(LZH圧縮) ケース加工図はCanon-iP4100で原寸に印刷されます

 基板は5mmのスペーサで浮かせて取り付けました。 ノイズSG用のドライブ電圧出力はBNCを使ってみました。 電源表示用のLEDはブラケットつきが入るスペースがありませんでしたので、はだかのLEDの頭をパネルから出しています。LEDは隣の電源スイッチの空きピンに固定しています。 そこそこうまく取り付けることが出来ましたが、SPユニットとTGユニットの間の隙間ぎりぎりです。
 PCとのインタフェースはUSB-シリアル変換基板を内蔵させようかとも思いましたが、結構スペースが厳しいのと、別に手持ちの外付け用のUSB-シリアル変換ケーブルの手持ちがありましたので、これを使っています。特に問題なくUSB経由で動いています。

 左はカバーをかぶせたところ、非常にコンパクトにまとまっています。 右は箱入れを終わったところで、バンド1、0-1000MHzの無接続状態のデータを取ったところです。 基板だけの時とほとんど変わりません。 SGユニットのシールドがしっかりしているからでしょうか?

【追加(206.04.24)、ノイズSGの組立て・箱入れ】

 ノイズSGの組立てと箱入れをしました。ケースはテイシンのTD-350Aというケースで、35x60x45で、リターンロスブリッジで使ったものです。その後、デジットに寄る機会があったので、覗いてみるとまだ売っていたので、いくつか買い込んできました。
 コネクタの穴を2個開けるだけなので、特に寸法図は作っていません。 左は小さな基板の組みあがった状態です。 右は、ケースに組み込んだ状態、ケース表面がアルマイト加工をしているように見えたので、グランドは編組線で結んでいます。

 左はカバーをした状態、大きさ比較用の定規をおくのを忘れましたが、BNCコネクタの大きさで、コンパクトなものであることがわかると思います。 右は、ノイズSGの出力をSP入力に加えて0-1000MHzで見たところです。

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