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2007年3月

改訂:2007/03/21

2007/03 CW 解読ソフト比較

 ブログの Digital Sound CW で、紹介しましたが、気になっていた CW 解読ソフトの解読率と言うか、どの程度解読できるのかと言うのを試してみました。

 試したのは上のブログで紹介した3つのソフトです。

@ HamScope
 KD6HIOの作によるもので、PSK、RTTY(Radio Tele-TYpe テレタイプ通信)、PACKET(パケット通信)などの機能も付いた、総合文字通信ソフトです。 CWも可能になっていますが、和文は難しいようです。 このソフトは完全にフリーで、軽快に動作します。 ログソフトとの連携もできますが、HamLogは連携ソフトの中には含まれていないようです。

A CwGet
 UA9OVの力作です。 送出用の CwTypeとペアで使うようです。 いずれも、コンパクトで、きびきびと動作し、二つ並べていても使い勝手の面で問題はありません。 コード表を変更すれば和文にも対応できるようですが、ログソフトとの連携はできないようです。 いずれも、フリーで動作しますが、CwGet は終了時に登録勧誘メッセージが出るのと、各種設定を保存する事ができません。 $35で登録すれば全機能が使えます。

B Digital Sound CW
 JA3CLMによる出来立てほやほやのソフトです。 さすが日本製、最初から和文に対応できるようになっています。 操作法など、まだ荒削りですが、今後が期待できます。

 下の写真は、信号の安定している夜の 3.5MHz で、3つのソフトを同時に動作させたところです。
CW_Reader_compare-1
 こちらは、同時に受信・解読した3つの結果を、清書してみたところです。 スペースを入れたり省いたりして、3つの解読状況を比較しやすくしてみました。
 赤字の部分が間違っていると思われるところです。 緑字は特殊コード(BT, SKなど)の表記がソフトによって違うので色を変えてみました。 いずれもまずまずの解読率ですが、CW Get が以外に健闘しています。 今まで、感覚的にも結構良い感じでしたが、こうして比較してみると、なるほどと思います。

 まだ、チューニングで変るかも知れませんが、まずは、こんな傾向ですと言ったところです。 いずれのソフトも、字間、語間をつめた符号とか、長点を妙に長めに伸ばした符号などは、似たり寄ったりで、不得意の様です。 エレキーできれいに送出される正確な符号の場合はいずれも問題なく解読できるようです。 符号間隔が正確なら、速度は多少遅くても速くても解読できます。

CW_Reader_compare-2

2007/03 IC-706MKIIG の周波数ドリフト・送信時対策・冷却台

 IC-706MKIIG の周波数ドリフト対策・送信時 で、連続送信時の温度上昇が厳しいので、温度変化を軽減する為の放熱の根本的対策を施さないと、周波数ドリフトは軽減されないと言う事が分かりましたので、積極的に放熱する対策を実施してみました。

 IC706MKIIG には内部に FAN が一つ有り、底板の手前側から吸気して、まず発振器付近を流れ、後方の出力段のほうに流れ、放熱フィンに開いた穴より外部へ排気されるようです。 また、後方の放熱フィンは下から上への空気の流れが生じて自然放熱されるようです。 この空気の流れをアシストして、吸入口には強制的に空気を送り込み、後方の放熱器には強制的に空冷されるような空気の流れを作ってやるために。 IC-706MKIIG をちょうど乗せて置けるような冷却台を作ってみました。

 下の写真は、ありあわせの板切れで製作した冷却台です。 左下が上側から見たところ、右下が裏返して下側から見たところです。 IC-706MKIIG の吸気口や放熱器にうまく空気が流れるように、シュラウドを形作ってみました。 また、後方の排気熱が回り込まないように、間に仕切りを入れています。
External_FAN-1
 左下は、IC-706MKIIG を乗せたところを下側から撮ったところです。 IC-706MKIIG がぴったりはまり込むように、窪みをあわせて作ってあります。 右下は、内部 FAN を常時回すように、前回、修正した抵抗をショートしています。 こうすると、内部 FAN がすごい勢いで回り続けます。 ちょっと騒音が大きいですが、周波数ドリフトには換えられません。
External_FAN-2
 下の写真は、冷却台の上に IC-706MKIIG を乗せて、正規の位置に戻して、電源 ON 後の初期ドリフトを測定したものです。 テレビの2チャネルで測定してみました。 30分で 50Hz ほどドリフトして、その後は ±2Hz 程度に納まっています。 まずまずでしょうか。
External_FAN-3
 次は、いよいよ連続送信の周波数ドリフトの測定です。 前回と同じ様に WSJT の JT65B モードで 48 秒送信、72 秒受信のパターンで繰り返し送信します。

 結果は一目瞭然、劇的な効果を見せています。 前回は連続送信開始して 70 分ほどで 280Hz ほどずれて、それでも、まだ安定していませんでしたが、今回は、連続送信開始して 70 分ほどで 35Hz ほどずれて、ほぼ安定しています。 これは満足できる結果でした。
External_FAN-4
 下の写真は、電源 ON からの IC-706MKIIG の上蓋に乗せた温度センサーのデータです。 前回と比べ、温度の山谷が少ないようで、これがドリフトの減少につながっているようです。

 IC-706MKIIG の一連の周波数ドリフト測定と対策は、ほぼこれで完了です。
External_FAN-5

2007/03 IC-706MKIIG の周波数ドリフト・送信時

 IC-706MKIIG の周波数ドリフト対策 を実施後の送信周波数のドリフトがどの程度なのか興味があったので測定してみましたが、送信時の周波数ドリフトは改善されていないようです。 想像するに、受信時のドリフト分だけは改善されていると思うのですが、それとは桁外れにドリフトが激しいのです。 やはり温度上昇が厳しいようで、温度変化を軽減する為の放熱の根本的対策を施さないと無理のようです。

 まずは、パワーオン後の受信状態での初期ドリフトを測定してみました。 これは、昨日の対策が効いているようで、まずまずの特性です。パワーオン後 30 分ほどで、8Hz 程ずれて、その後はほとんど動かずに、安定しているようです。
IC-706MKIIG_Freq_Drift_PowerON_RX
 次は、連続送信のテストです。 WSJT の JT65B モードで 48 秒送信、72 秒受信のパターンで繰り返し送信します。 送信中は、シングルトーンとほぼ同じ動作になっているようです。50W のフルパワーで送信します。

 さすがに、144MHz のシングルトーンフルパワーだと相当に熱を発生するようで、測定側のスパンを超えてしまいましたので、つぎはぎになっています。 連続送信開始して 70 分ほどで 280Hz ほどずれて、少しカーブが寝てきましたが、まだ安定しないようです。 余りにひどいのでこれぐらいでやめにしました。 280Hz と言うと 144MHz に対して 2ppm、仕様が 5ppm でしたので、これで、0〜50℃ を振ると、5ppm も危ないかも。
IC-706MKIIG_Frq_Drift_WSJT_TX
 下の写真は、上記の試験をしている間の IC-706MKIIG の上蓋にセンサーを置いてある温度計の表示です。 受信時は外部の温度はまだ上昇中ですが、受信周波数が安定しているのは、内部の温度が意外に早く飽和して、安定状態(恒温槽状態)になっているのでしょうか。 送信時のファンの効きも悪くは無いようですが、内部の温度傾斜が激しいのでしょうか、周波数はどんどん動いていっています。 上記2つの測定にも時刻を符ってありますので比較してみてください。
IC-706MKIIG_Temp_PowerON_RX_TX

2007/03 IC-706MKIIG の周波数ドリフト対策

 IC-706MKIIG の周波数ドリフト の測定の後、お空で話していると、

@ 旧 IC-706 は冷却ファンを回しっぱなしでうるさかったが、筐体は熱くならず、周波数のドリフトも少なかった。
A IC-706MKIIG では騒音対策から、ファンの ON-OFF 制御をしており、これが原因で高い周波数ではドリフトが目立つようである。
B ICOM では、IC-706MKIIG の周波数ドリフト対策で、希望者にはファンの連続通電の対策を施しているらしい。

と言う情報を入手し、気になったので、ネットで探してみると、以下のような情報がありました。

Icom IC-706MKIIG (Icom IC 706 MKIIG IC706MKIIG) fan mod

 抵抗1本で、できる改造です。 OFFになっている回路を抵抗でバイパスして小電流を流して、ファンを低速でまわしているようです。 低速なので騒音もさほどではなく、一挙両得のようです。

 早速 IC-706MKIIG を引き出してやってみましたが、ちょっと狭いところなので、周りをコテで焼いたりしない様に注意が必要です。 それに、ちょうど良い抵抗が無かったので、手持ちの抵抗を4本直列でやってみました。 ちょっと、危ない配線ですが、移動には使わないので大丈夫でしょう。

 なお、当然ですが、もし、改造される場合は、充分に資料を読んで、自己責任で注意深く実施をお願いします。
IC-706MKIIG_Fan-1
 改造を終わって、抵抗の FAN 側の電圧を測定すると 4.51V でした。 抵抗の L613 側が 13.66V でしたので 44.9mA ほど流れているようです。 抵抗での消費電力は 0.41W ですので電力的には大丈夫のようです。

結果、劇的な改善がありました。受信状態ではほとんど動きません。 送信は温度が上がるので少し動くと思いますが、まだ適当なテスト方法を思いついていないのでやっていません。 周波数が安定したのと、裏蓋を開けたので、ついでに中心周波数のずれも修正しておきました。 ただ、調整が微妙で、裏蓋をかぶせると、若干、合わせた周波数がずれてしまいました。 裏蓋に調整用の穴を開けておいてくれると有難いんですけどね。

 左下の写真は、中心周波数を 150Hz ほどずらしているところです。 右下は、調整し終えたところで、裏蓋を仮にかぶせて、周波数ドリフトを見ているところです。 向きは裏側を上向きにしています。
IC-706MKIIG_Fan-2
 下の写真は、裏蓋を完全に閉めて、正規の位置において周波数ドリフトを見ているところです。 中心周波数が蓋を開けている時とは数Hzずれてしまいました。 横軸は 29分 ありますが、昨日の測定と比べると、劇的な改善で、ドリフトはほとんどなくなりました。
IC-706MKIIG_Fan-3
 上記の調整は、なるべく高い周波数で実施するため、NHK 総合(2ch、映像信号 97.25MHz)で行いましたが、試しに、10MHz の BPM で周波数確度とドリフトを測定してみましたのがしたの写真です。 こちらは横軸が 59分、縦軸は倍の精度になっています。 まずまずの結果ではないかと思います。
IC-706MKIIG_Fan-4

2007/03 IC-706MKIIG の周波数ドリフト

 WSJT6 の初交信・その2 で IC-706MKIIG の周波数のドリフトが気になったので、測定してみました。

 朝起きたら、すぐに、電源を入れて、お昼頃に測定しました。4 時間ぐらいはウオームアップできていると思います。 測定は、テレビの 2ch-NHK 総合の映像周波数を使って実施しました。 概略は以下の通りです。 なお、IC-706MKIIG の周波数の調整はしていませんので中心周波数はずれています。

@ IC-706MKIIG の周波数を「97.250.00」に、モードを CW に設定する。
A Spectran を起動し、下の写真のように設定する。
  IC-706MKIIG のサイドトーンは 600Hz のままなので、オフセットを 600Hz にセットする。
  ウオーターホールは一般に慣れている横型にしておく、記録は一番遅く設定する。
B 温度データロガーを起動しておく。
C 後はスタートし、ウオーターフォールの記録スパンが7分なので、適当にキャプチャ・保存する。
IC-706MKIIG_Drift_RX_Spectran
 ウオーターフォールの記録スパンが7分なので、適当にキャプチャした画像をつなぎ合わせたものが下の写真です。

 明らかに FAN の ON-OFF と連動して周波数がドリフトしています。
 97.250MHzで、+142.88Hz の中心周波数のずれと、±19.04Hz のドリフトがあるようです。
 そのまま周波数換算するとして、
 144.5MHzでは、+183.49Hz の中心周波数のずれと、±24.45Hz のドリフトが
 430.5MHzでは、+429.26Hz の中心周波数のずれと、±57.20Hz のドリフトがあるようです。
そのままの逓倍ではないかもしれませんが、まあ、オーダーとしてはこんなものなのでしょう。
IC-706MKIIG_Drift_RX_Chart
 こちらは、IC-706MKIIG の上蓋の上にセンサーを置いて同時に測定した温度変化です。 上蓋の上ではそれほど大きな温度変化は無いようです。 どうも、中の温度変化が激しいようです。
IC-706MKIIG_Drift_RX_Temp

2007/03 WSJT による交信・その2

 ブログにも書きましたが、WSJT6 の初交信 以降、途絶えていた交信が、8J1EME の話題で、にわかに再開しました。 WSJT を説明した資料は少ないので手探りで、訓練をかねて、いつも交信している方とトライしてみました。

 これは知り合いの、A局、B局が交信しているのをモニタする試験です。 信号音は完全に聞こえています。 ちょっと周波数変動が気になります。(IC-706MKIIG 使用)
WSJT-1
 こちらは、430MHz に移って、実際の交信の様子です。 この辺りは、Sメーターはふれませんが、信号は微かに聞こえています。 こちらも周波数変動が気になります。(IC-706MKIIG 使用)
WSJT-2
 こちらは、50MHz での実際の交信の様子です。 Sメーターはもちろん、信号音も全然聞こえません。 しかし、ウオーターホールに軌跡は示されていますし、復号もちゃんとできます。 こちらは周波数変動も無くバッチリです。(IC-756PRO 使用)
WSJT-3
 こちらは、そんなある日、7MHz で聞こえていた WSJT です。SSTV のひどいカブリにもかかわらず、ちゃんと復号しています。 先方から送られる内容が、CW ぽいですが。 ちゃんと交信できました。 Sメーターは全然振っていません。 信号音は微かに聞こえていました。
WSJT-4

2007/03 HamS(Ver.3.30)・宇宙環境他

 HamS が Ver.3.30 にバージョンアップされました。 詳しい機能アップはHamSのホームページを参照していただくとして、主なものを下の写真に紹介しておきます。

@ 宇宙環境のボタンが付き、地球儀の形(下の写真左)と地図の形(下の写真右)で表示します。 NICT のデリンジャー現象情報を表示しているものですが、ちょっと縮小していますので字が掠れています。 暖色側がデリンジャー現象発生、寒色側が通常の伝播状態です。 NICT サーバー側のメンテナンスが多いようで、メンテナンス中はハングアップしたようになりますが、慌てずに「じ〜っと」待つと復帰します。

A 従来の電離圏情報のうち、Eスポ発生傾向又はEスポ発生中の場合に、メイン画面右上のお知らせ欄に点滅で表示されます。 この他、このお知らせ欄に表示されるものは「お知らせ」「掲示板」「Jクラスタ」などがあります

B ウインドウタイトルに総ポイント数が表示されます。 ただし「動作環境」の「その5」で表示されるようには、リアルタイムに変化が反映されないようです。

C お知らせ欄の横に当日の HamS ユーザーのログイン数が表示されます。

D ミニ方位計の位置を、従来の右下と、新しく左上の位置のどちらかに指定できます。

 その他、まだ、目に見える部分・目に見えない部分でいくつかの機能アップがされています。
HamS-1

2007/03 EasyPal_Lite(Mar.02, 03, 05)・View機能

 EasyPal_Lite の2007/03/02、2007/03/03 バージョンが立て続けにリリースされました。 02 で View 機能が付きました。 03 はバグフィックスバージョンだと思います。

 気付いた主な変更点は以下の通りです。 一層、HamPal に近づいていくようです。

@ View 機能が付きました。
 RXタブ、TXタブに追加して、Viewタブが追加されました。 Viewタブを選択すると、下の写真のような画面となり、受信画像と送信画像の履歴がサムネイルで表示され、選択する事により、送信画面に貼り付けたり、フルスクリーンで表示したり、削除したりの操作ができます。

A Mode が TXModeHelp になりました。
 Mode が TXModeHelp になり、5種類の送信モードが選択できるようになりました。 これは、バンドの状態によって、TX パラメータの組み合わせを簡易的に5種類に分類して設定できるものです。

B Show RX Screen と Show TX Screen が Setup ボタンの機能に変更されました。
 従来の Mode に入っていた Show RX Screen と Show TX Screen が Setup ボタンの機能に変更され、移動しました。 同時に、 Show TX Screen のショートカットキーが「h」から「X」に変更になりましたので、ImageLinker から TX 画面への自動貼り付けの為の操作コマンドが「%Mh%P」から「%SX%P」に変更が必要になりました。 ショートカットキーの変更は混乱の元なのですが、良く変更されますね。

C  起動後、一度も画像を受信していない時に、RX タブに Paste した画像は Clear ボタンで消去できませんでしたが、消去できるように改善されたようです。
EasyPal_Lite-1
 過去から気付いている問題点で、改善されていない点は以下の通りです。

@ wav や tune を送信している時は、waterfall が流れているのですが、画像送信に入ると waterfall が止まります。どうせなら、画像送信の時も waterfall が流れていたほうが良いと思います。

A  RX Input と TX Volume では、選択したサウンドデバイスのボリウムコントロールではなく、デフォルトのサウンドデバイスのボリウムコントロールが表示されるので、いちいち、選択したサウンドデバイスに変更しなければなりません。

B これは、仕様だと思いますが、
 Replay RX で送り返されるのは、「RX」タブに表示している画像ではなく、最後に受信した画像のようです。 従って、「RX」タブに Paste で貼り付けた画像は送られないようです。

C これはバグだと思いますが、
W.Fall-Text の入力画面で、改行を入力してもカーソル表示は改行位置に移動しません。 ただし続けて入力すれば、改行して入力されるようです。

D 終了時の設定が記憶されずに、起動するごとに初期化される設定があります。
 ウインドウの位置設定。
 送信のファイルサイズ設定。
 HiResのチェック。

【補足】Mar.05 バージョン

 引き続いて、Mar.05 バージョンがリリースされましたが、何が変ったかわかりません。

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