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2006年6月

改訂:2006/06/28

2006/06 シャックの温度−梅雨

 とうとう梅雨に入って、毎日、蒸し暑い日が続いています。 5月にシャックの温度を測定した時は、一日中快適な気候でしたが、梅雨の鬱陶しい一日の温度・湿度を測定してみました。測定には、もちろん温度・湿度データロガーを使います。
 夜、寝る前に窓を閉めると、温度がわずかに上がるのでしょうか、相対湿度は下がります。昼に窓を開けると外の湿気がもろに入ってくる感じです。この日は前線が通過して、一日中Esが出ていたので無線機も一日中つけっぱなしで、部屋の温度も夜にかけて徐々に上がっていきます。不快指数も75〜80で50%の人が不快と感じる状態です。やはり、梅雨は鬱陶しいですね。

2006/06 KANHAM-2006に参加

 土曜日は都合が悪くて行けなかったので、日曜日に覗きに行って来ました。いきなり置いてあった巨大電鍵は度肝を抜かれました。今までのKANHAMやハムフェアでも大きな電鍵の展示はありましたが、これだけ大きくてしかも精巧な物は初めてです。さる芸術家の方が手がけられたそうですばらしい出来映えでした。あと、昭和30年代の展示がありました。ちょうど開局したての頃の懐かしい機械が並んでいました。TX-88Aや9R-59はおなじみでヤフオクなんかでも見かけますが、9R-59と組み合わせて使うクリコンは久しぶりに見ました。2階の展示も一通り見終えたところでお楽しみのフリマをぐるりと一回り、これぞフリマという物を仕入れてきました。右はその戦利品です。これを材料に、また、自作の虫がうずきます。

2006/06 IC-730Sの修理

 次の修理はIC-730Sです。この機械も、ずいぶん長い間、活躍してくれました。こちらはバンド切替スイッチにかなりガタがあるのと、プリアンプが動作しません。それに若干、周波数がずれています。
 中をばらしてみました。結構、うまい作りで、中の基板もブロックごとリフトアップできて、ケーブル類を外さずに、基板の下をさわることができます。バンド切替スイッチのガタは、なんと締め付けのビスが完全にゆるんでいます。蓋を開けたら左の写真のように、バネの力ではずれてしまいました。軸を押し込んでビスを締め付け直すと、気持ちよいクリック感でスイッチが切り替わります。とりあえず、ここはこれでOK。
 次にプリアンプ部を見てみます。右はプリアンプのON-OFF切替リレーです。蓋を開けて、リレーの接点を慎重につついて見ますとアンプが入ったり切れたりします。リレーに問題がある様で、回路の方は生きているようです。接点洗浄剤を吹き付けて、右の写真の上に置いてあるような紙切れを作ってこれを慎重に接点の間に入れて接点をONにして圧力をかけて紙を慎重に引っ張って接点を掃除します。さらに、若干レバーを調整したら、気持ちよくプリアンプがON-OFFするようになりました。もう一度、接点洗浄剤を吹きかけて、乾いたところで、リレーのカバーをします。
 最後に、外部のケースをかぶせて、電源をON、しばらく落ち着いたところで、周波数の調整をしておきます。ダミーロードをつなぎ、パワーを最低にして送信します。IC-756PROで受信して見ますと200Hzほどずれています。以外にずれていませんでした。キャリブレーションのボリウムを調整してサイドトーンとダブルビートを取りながら周波数をあわせます。このボリウムは結構クリティカルです。
 とりあえず、これで思い出の深いIC-730Sも復活です。

2006/06 IC-201の修理

 次の修理はIC-201です。こちらはスピーカが飛んでいるのは分かっていたのですが、こちらもIC-706MKIIGに取って代わられて現役を引退していたので、放っておかれたものです。
 とりあえずチェックしてみるとフォーン端子には信号が出ているようなので、回路側には問題ないようです。スピーカだけが飛んでいるようです。ばらしてみると、スピーカは9cmのものが使われています。手持ちには、以前にデジットでジャンクで安売りしていた5cmのスピーカしかありません。とりあえずこれを使うことにして、蓑虫クリップでつないでみると結構良い音がします。左の大きな方のスピーカが飛んでしまったものです。右の小さなスピーカが代わりに取り付けたものです。モービルで使うわけではないので(昔はこのIC-201を自動車に積んでいました)あり合わせの金具で押さえつけましたが、結構しっかりとりついています。ビビリなども無いようです。とりあえずはこのスピーカで良しとして、また、都合良く同じサイズのスピーカが見つかったら交換することにします。
 右は修理を終わって、ついでに掃除機で埃を吸い取って、若干きれいになったIC-201です。この時代の機械はパネルのイルミネーションがきれいです。早速、アンテナ・ジャンパ・パネルよりケーブルを引っ張って受信してみます。感度はIC-706MKIIGよりも良いような気がします。Sメーターはちょっとインフレ気味にガンガン振れます。チューニングの感触と言い、音の感じと言い、アナログ時代の良さを久しぶりに噛みしめました。

 ばらしたついでに、IC-201の中身を写真に撮りました。底蓋側から撮った写真に面白い物がいくつか写っています。左の写真の真ん中にVFO部が、その左にダイアルギア機構が、そしてその上に機械的に結合可変型のRF-GAIN用のアッテネータが写っています。
 右の写真はRF-GAIN用のアッテネータのクローズアップです。2つの金属の円筒が見えていますが、中にそれぞれコイルが入っています。また、両方の金属の筒には四角い窓が開いていて、この窓の重なり具合でそれぞれのコイルの結合度を変えて減衰量を可変しているようです。一目瞭然で理屈は分かりますが、こんな現物を見たのは初めてです。下側の筒は固定で、上側の筒はRF-GAINのツマミを回すと軸に沿って回転します。写真の状態は一番結合の低い状態です。この状態がRF-GAINがLの状態です。まさに「アナログの薫り」がほとばしっています。

 こちらは、ダイアル機構のギア部分(左)とVFO部(右)です。ギア機構は2段減速機構でパネル面のダイアルと同軸にあるレバーを切り替えると、1回転50kHzと16kHzに切り替わります。VFOはμ同調が採用されており、1MHzをカバーしています。μ同調はこの時代ですからコリンズの影響でしょうか? VFOの表面にはシリアル番号らしき数字がゴム印のようなスタンプで押されており、最低周波数と最高周波数が「検査員・田中さん」の「手書き」で記入されているところが「泣かせ」ます。

【追加、スピーカ取り付け金具の変更】

 見えないところとは言え、やはり、スピーカの取り付け金具が不細工だったので、変更することにしました。
 飛んでしまったスピーカと新しいスピーカを見比べていると、どうも飛んでしまったスピーカのフレームが使えそうな感じがしてきました。そこで、鉄鋸を持ち出してきて飛んでしまったスピーカのボイスコイルとマグネット部分を切り取ってしまいました。ちょうど段差が付いていたので、段差に沿って鉄鋸を当てていくとうまく切り取れました。左の写真の左奥が切り取ったフレーム部分、右奥が不要になったボイスコイルとマグネット部分です。このフレーム部分を新しいスピーカの押さえ金具にします。あわせてみますと、若干、隙間が空きそうです。何か良い詰め物は無いかと思案していたところ、先日、サッシ網戸を張り替えたときに使った、網の押さえのゴムパッキンを思いつきました。試しに短く切ってあわせてみますと、ゴムの弾力でスピーカが適度に押さえられて、ちょうど都合良く納まります。手前の新しいスピーカのマグネットの付け根あたりの灰色に見えている物が網戸用の押さえゴムです。瞬間接着剤で仮固定しています。
 右の写真は、パネルに取り付けたところです。しかし、こうして完成した物を見てみると、まるで元のスピーカのようです(自画自賛!!)。フレームを鉄鋸で切り取るときは結構苦労しましたが、出来映えを見ると、苦労が吹き飛びます。

2006/06 CO-1303Dの修理

 ものづくりも一段落したので、前から動作がおかしくなって放って置いたセットの修理に取りかかることにしました。最初は20年以上も前に購入して、だいぶ活躍したTRIO(現KENWOOD)のアマチュア用オシロCO-1303Dです。その昔はジャンク屋から入手した確か5インチのブラウン管でオシロを自作し、活用していました。真空管式でAC結合のアンプでしたが、信号の波形が見えるだけで驚喜していたものでした。その後、このCO-1303Dを入手して、現在のオシロを入手するまで、ずいぶん長い間このCO-1303Dは活躍したものです。
 さて、このCO-1303Dの輝点が出なくなって放っておかれていたのですが、愛着もあったので、中を見てみることにしました。下の写真は上から見たところと、横から見たところです。この時代の商品は取り説に必ず回路図が付いています。アンプはトランジスタですが、ブラウン管を使っていますので最高で1.3kVの高圧がかかっています。コンデンサなども耐圧の高いものが使われています。一見したところ、特に劣化しているような部分はありません。

 これは、電源トランスのアップです。磁束の影響を最低にするため、トランスにはショートリングが巻かれており、取り付け方もブラウン管の軸に対して水平方向・垂直方向ともに傾斜を付けて取り付けてあります。
 ところで肝心の輝点が出ない現象ですが、電源を入れたら、ちゃんと出ます。発振器から信号を加えますと、ちゃんと波形も表示します。う〜ん、どうしましょうか? 接続不良なども確認してみましたが、見つかりませんでした。しょうがないので、しばらく様子を見ることにします。とりあえず、掃除機で埃を吸い取ってふたをかぶせて完了としました。

2006/06 アンテナ・ジャンパ・パネルの製作

 リグとアンテナの接続には2接点の同軸切り替えスイッチを使用していましたが、数が増えてくるとスイッチを縦列につないでも自由な切り替えにはほど遠いので、電話交換台のジャンパ・ボードよろしく、アンテナ・ジャンパ・パネルを作ってみました。

アンテナ・ジャンパ・パネル加工図(LZH圧縮) パネル加工図はCanon-iP4100で原寸に印刷されます

 左は従来使っていたDAIWAの2接点の同軸切り替えスイッチです。これを4個使っていました。右は今回製作のパネルを加工した状態です。フリンジタイプではなく、ナットでパネル取り付け型のM型J-Jタイプのコネクタを合計21個取り付けれるようにします。これを7個3列の縦にしてラックに取り付けて、右の7個の列をアンテナ側に、左の7個2列をリグ側に割り当てる予定です。切りが良い数で8個3列にしても良かったのですが、ラックの棚のスペースが210mmほどしかなかったので、コネクタを着けたり外したりする時のスペースも考えてこの配置にしました。2mm厚のアルミパネルにリーマとシャーシパンチを使って16mmΦの穴を開けましたが、さすがにこれだけの穴を開けると手が痛くなりました。

 M型J-Jタイプのコネクタを合計21個取り付けたところ、右は裏側でアングルで補強してあります。コネクタは長めのタイプしか手に入らなかったのでこれを使っています。カタログ上では短めのものもありますが入手方法がわかりませんでした。このナットを締め付けるのも力仕事でした。スプリングワッシャや菊座ワッシャが付いていなかったので、ラチェット型の19mmのメガネ型レンチで思いっきり締め付けました。念のため、締め付けた後、ネジロックが入手できなかったので、瞬間接着剤で固定しています。

 ラックに取り付けて、アンテナへのケーブル、リグへのケーブル、ジャンパ・ケーブルを付けたところです。ジャンパ・ケーブルも7本作りました。ジャンパ・ケーブルは一番長い対角線上のコネクタでも接続できるように35cmで統一しましたので、通常は若干長めです。これで、リグとアンテナを自由に組み合わせできます。また、アンテナ側のコネクタの一つはダミーロードにつないでいるので、ダミーロードでのテストもワンタッチで切り替えできるようになりました。左は標準の接続状態、このときすぐ隣のコネクタ同士の接続になるようにしています。右は、試しに接続替えをしたところです。

 今回は、コネクタの21個の穴開けから始まって、21個のコネクタのナットの締め付け、ジャンパ・ケーブルの製作のため7本のケーブルの両端の被覆剥がしと力仕事になってしまいました。終わった後はさすがに指先が痛くなってしまいました。

 PS: テスターの電池(LR44x2)がなくなり、手持ちがなかったので、100均に買いに行ったところ、以下の様な鰐口(蓑虫)クリップを見つけました。日本橋で見るのなら、どうってことないのですが、意外なところでの発見でしたので、「感激」して、特に使う当てはなかったのですが、買ってしまいました。


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